tawashi8のブログ

研究者志望の大学院生の備忘録です。

今夜もオーバーナイトに行って考えたこと。オレンジのセーターと真っ赤なブーツ

あまりにも多くのことを感じてしまい、Twitterでは絶対に収まりきらなかったので、備忘録としてこちらに残そうと思いました。

終わった感想は、「行って良かった」です。でも、楽しいと言い切れない自分がいる。とても良いイベントだったのに、楽しめなかったと感じてしまう自分がいるのが苦しくて、なぜそう思ったのか整理するつもりです。

前半はトークイベント。


最初の話題は「ひろゆきさんにフェミニズムについてインタビューした記事」について。正直に読んだ感想を申し上げると、読みたくない文章でした。

ひろゆきさん、どうして「今の日本では“フェミニズム”って言葉を使わないほうがいい」のですか? | ハフポスト

フェミニズムという言葉を聞いたこともないような層へのアプローチを試みたところ、間違いや人権意識の低い発言も傾聴する記事になってしまった、ということなんだろうか。笹川さんが終始申し訳なさそうなのが印象的だった。個人的にはもう少し笹川さんのお話を聞いてみたかった。
さてこの話題、北丸雄二さんが映画『his』に触れながら「公と私」の話をされた。特に日本では私的空間で完結させることが良しとされていて、「公」の世界に踏み出すことが否定的に(「公」が存在していないかのように)捉えられている。
北丸さんのツイッターでは「日本的なぼんやりした良さ」と表現されているけれど、日本的というのが”家”、”お上”などといった言葉に現れる「公私」の考え方かなと。https://twitter.com/quitamarco/status/1225104760094642176?s=20
政治の話は「公」のもので、「お上」の範疇であり自分にはどうしようもないもの、どうこうしようとするのは不届き者、というような発想でフェミニズムやいわゆるLGBTムーブメントといったものが否定的に捉えられる。
それっておかしいと僕も思う。ここで、昨年9月の「The m/all」イベントを思い出した。 "Personal is Political"だし、"Knowledge is Power"と信じているので、Tシャツを買ったのだ(Personal is Political Tシャツも購入したのだが、サイトでは見つけられず)。

the-mall.stores.jp声を上げるのが苦手な僕は「The m/all」「今夜もオーバーナイト」で勇気と希望をもらっているんだなと改めて感じた。
それにしても、笹川さんは本当に誠実な印象だった。今日のお話を聞くまでは後編なんて見てやるものかと思っていたが、この惨状をどう回収するのか、笹川さんならば回収してくださるのではないかと期待できたので、読みます。

 

続いて、「いまのLGBTムーブメントに言いたいこと」について。
畑野さん「リスペクトがない」。いわゆるLGBTムーブメントは唐突に表れた、”先進国で言われてること”のように扱われることに対しての言葉。北丸さん翻訳の「LGBTヒストリーズ」に触れて、日本での異性装の歴史含め、ゲイライツの動きはドラァグクイーンが引っ張ってきて、トランスジェンダーは隠して振舞うことが難しいために常に戦っているのに「白人シスジェンダーゲイ」からの視点でしか描かれないこと。そもそも原著は「Gay and Lesbian history for kids」なのにLG"BT"としたのは???と北丸さんと論戦が始まるかと。いろいろ思ったのですがこの本自体についてとてもたくさん言いたいことがあるので別記事にすることにする。今日中に気持ちの整理をしたいので。
李さん「主張するのが苦手」。台湾からいらしたとのことで、台湾・中国と日本の現状を比較されていた。ここが一番聞いていて苦しかったところ(素晴らしい意見でした、念のため)。日本人は主張することができない、それは教育の”成功”だと。僕自身意見を表明することが本当に苦手で、いつも黙り込んでしまう。明らかに自分が(言葉による)暴力をうけているときに黙り込んでしまう。自分が守れない、戦えない。いつのまにか牙を抜かれてしまっていたとしたら、どうしたら良いのか?社会に出ることには「未来のない日本」になっていて、どうやって希望を持てばよいのか?
山縣さんはなんとおっしゃっていたか。。ついさっきのことが思い出せない。
お酒は良くない。
鈴木さん「理解はいらない」。これは本当にそうだと思う。「障がい者の気持ちもトランスジェンダーの気持ちも理解できないけど、差別を受けている現状を改善するための法律を作ることには心の底から賛成できる」あまりに眠いので表現を盛ってしまっているかも。北丸さんdisable → people with obstacles 周りに障害がある、という発想。
北丸さん「Tax Payer」。これも、The m/allに通じている。自分事だよね。

第2部の音楽LIVE。こちらもかなり苦しい気持ちになった(素晴らしかったです)。
西新宿パンティーズさんのパフォーマンス。きらびやかなミラーボール、揺さぶるような大音量の重低音、下品だけど力強いリリック、女性もののパンツを被るパフォーマンス。すべてが苦手だった。全然良いと思えなかった。良いと思えない狭量で潔癖な自分が嫌になった。
平野太一さんの歌。まじめそうな印象。心こもったバラード、だけでなくエッジの聞いた曲も。扱う題材もセックスワーカーや働けど楽にならない現状などだったが、疲れていたせいか本当に何を言っているのかわからなかった。汲み取れない自分が辛かった。

そもそも、ミラーボールのようなチカチカとした光、大音量の音楽、人間が多くパーティ形式で社交がなされる場がとてつもなく苦手で苦しかった。これは僕が片頭痛持ちのHSPだから。苦手なお酒も飲んでしまったから。僕はどう頑張っても楽しめない。

本当に素晴らしいイベントだったし、行って良かったと心から思うけど、自分のできないこと、嫌な部分、嫌に思ってしまうことに目がいき辛い思いになってしまった。

北丸さんが来ていたオレンジのセーター、畑野さんが履いていた真っ赤なブーツ。とても素敵だった。自分では絶対に身に着けない、まぶしさが印象的だった。